<実験3> 人さし指・中指・薬指・小指で6通りのペアを作り、ペアにした指を交互に素早くタップ(テーブル上を指頭でトントン叩く)させます。このとき、動かさない他の2指がテーブルから浮き上がらないようにします。タップしている指先に圧力センサーを設置し、その時間的な値を計測しました。
<結果> 音楽家は訓練により、どのペアであっても安定した運動が行えるようになることが分かりました。1本指でタップする実験結果 と比較してみても、一般の方と音楽家の差はより明確化されています。この結果から訓練の成果は解剖学的な発達というよりむしろ、神経生理学的(交互運動制御)な面に表れている可能性が高いと思われます。必要に応じてより機能的に手指を動かせるよう、目的に適う神経ネットワークが徐々に構築されてきた結果ではないでしょうか。