スムーズな上達のためにも、ギターの簡単な調整は自分でできるようになりたいものです。特に初心者の方ほど弾きやすい楽器で練習してほしいのですが、なかなか細かいところまで気にする余裕がないようです。今回は簡単にできるメンテナンスとして、弦高調整について触れてみます。
第12フレットの上に定規をあて、弦の下側までの値を図ります
1弦=1.5mm
2弦=1.6mm
3弦=1.7mm
4弦=1.8mm
5弦=1.9mm
6弦=2.0mm
■ギターの種類に関わらず、エレキならこれを基準にするのが無難かと思います(0.1mmを計測できる定規はないので、おおよその値で構いません)
■全弦同じ値に合わせるのではなく、弦の太さ(振幅)に合わせて微妙に高低をつけるのが一般的です。
■このセッティングで音が詰まったりするようであれば、ネックコンディションに何らかの問題がある事が多いので、詳しい人かショップに1度見てもらう事をオススメします。
レスポールやセミアコなどのギブソンタイプなら両サイドのネジを回して 、ブリッジ自体を上げ下げします。弦1本ずつの調整はできませんので、1弦=1.5mm/6弦=2.0mmになるようセッティングします。
フェンダータイプはブリッジサドル(駒)の両脇にあるネジで調整します。 画像はテレキャスターのものです。
ストラトであれば、弦1本につき1つのサドルが支えていますので、より細かなセッティングが可能です。
ヴィンテージタイプのストラトやテレキャスターは、指板がきついカーブを描いているので、低目のセッティングにすると音詰まりしやすい傾向にあります。
レスポールやセミアコはよりフラットな指板なので、ネックのコンディションが良ければ、1弦=1.0mmくらいのセッティングでも余裕があります。
<弦高による違い>
音色に艶とハリが感じられる事が多いので、高めのセッティングの方がサウンド面では有利(一般的に良い音とされる)と言えるでしょう。ビブラートやチョーキング時のサスティンも気持ちの良いものになります。その分、フレットへ押し込む距離が長くなるのと、弦の張り感を強く感じる傾向になります。
逆に低ければ楽に弾けますが、犠牲にするものも多いという事になります。
個人的には、
■ レスポールやセミアコ:1弦=1.8mm/6弦=2.3mm
■ ストラトやテレキャス:1弦=2.0mm/6弦=2.5mm
のセッティングにしています。
フィンガリングフォームとしても、ある程度の弦高があった方が自然に指のスイングができるので、生徒さんにもあまり低くならないようアドバイスしています。ギブソン系の場合は テイルピースの高さ と合わせ、最終的には好みという事になりますので、これらを参考に自分に合った弦高を探ってみて下さい。 この調整をした後は、ピックアップの高さ を調節する作業が必要になってきます。