エレキギターのマイクにあたるのがピックアップです。ほとんどの機種は、両端のネジを回すだけで弦との距離が調節できるようになっています。今回は自分でできるメンテナンスとして、ピックアップの高さ調整について触れてみます。
ハムバッカーピックアップ
(← がポールピース)
シングルコイルピックアップ
(→ がポールピース)
「最終フレット(21とか22)を押さえた状態」で、「両端(1弦と6弦)のポールピースと弦の隙間」を以下の値に合わせます。ストラト系であれば3つ、レスポール系であれば2つのピックアップをそれぞれ調節してください。
<シングルコイルの場合>
ネック:1弦=2.5mm/6弦=3.0mm
ミドル:1弦=2.3mm/6弦=2.8mm
ブリッジ:1弦=2.0mm/6弦=2.5mm
<ハムバッカーの場合>
ネック:1弦=1.5mm/6弦=2.0mm
ブリッジ:1弦=1.5mm/6弦=2.0mm
この値が「弦とポールピースを近づける限界値」となります。モノによってはもう少し近づけられるピックアップもありますが、一般的なパッシブタイプ(電池を使わないギター)のエレキギターは、これ位を目安にしている場合が多いかと思います。
そして音を確認しながら徐々にピックアップを 下げる方向に調節 し、バランスの良い高さを探っていきます。バランスの良い…といってもピンとこないかもしれませんが、「キンキンしすぎない」「音像がぼやけない」この中間的なところがベターかなと思います。
特にヴィンテージタイプ(Fender / Stratocaster や Telecster など)のシングルコイルは、ポールピース自体が磁石になっている ため、弦に近づけすぎると自然な弦振動を妨げてしまいます。
■ 弦とポールピースの距離が近いと…
音の輪郭がハッキリするがキンキンしやすい
■弦とポールピースの距離が遠いと…
マイルドな音色になるがボヤけた音像になりやすい
全体的な高さや、1弦側と6弦側のバランスによっても印象はだいぶ変わってきます。ギターによって、また弾き手によって好みがハッキリ分かれる部分ですので、色々探りながら気持ちの良いポイントを探ってみて下さい。弦高セッティング を変えた場合も、この作業が必要になってきます。