前回 の記事で紹介した動画の内容と合わせて、指がスイングする向きを取り上げてみたいと思います。一見あたり前のことと軽視している事柄も、よく考えてみると何か気づきがあるかもしれません。
解剖学的にはかなり大雑把ですが、指を曲げ伸ばしする時の軌道はこんな感じです。中指がセンター位置にあたり、そこへ寄り集まるようにして屈曲します。
屈曲させたところです。余計な力が入っていなければ、隣り合う指が軽く触れあいます。
指のスイングがこうした軌道であるため、薬指や小指など構造上不利とされる指は、つけ根と指頭が同列(もしくはつけ根がややヘッド側)に位置していた方がパフォーマンスの向上が見込めます。ただ、より3次元的な捉え方となるので、押弦感覚をつかむまでに少々違和感を覚えるかもしれません。
実際の演奏では様々なテクニックが盛り込まれた上でのフィンガリングとなるのでこの限りではありませんが、有利なフォームを基本として位置づけておくことで、例外的なものへの対応もおのずと見えやすくなります。