前回をおさらいすると…
■ 単純な握力は関係ない
■ 動きのパターン化が重要
■ 構え方(フォーム)次第で動きの大部分は決定される
道具を活かせるか否か、全ては使い方次第!指は演奏のための道具であると考え、それを使いこなすためのヒントを探っていきましょう!
~各指をある角度で固定すると、全く自由が利かなくなる話~
まず試しに、下記の手順に沿ってマネしてみてください。押弦時にこのフォームに陥ってしまう生徒さんがかなり多いです。レッスンの際、実際にやってみてもらうとコードフォームの見直しがしやすくなります。
まるで異物が薬指の先端にくっついているかのような感覚、プッチンプリン的な揺れ方になると思います。全く力が入らず、自力で動かすことは不可能!これは特に、隣り合う指の付け根が、反対方向に引っ張られるとき陥る症状です。
こんな不自然な形、ギター弾くときにやるわけないじゃん。と思いがちですが、生徒さんの状況を見る限りかなりの確率でやっております!よく使われる3つのコードフォームを例に見てみましょう。
いかがでしょうか?筋力が弱いのではなく、力が入らない格好に陥っているという例です。これらに限らず、コードの押弦フォームは様々な指の配置となります。また、1本ずつ順番に単音を弾く際にも、速いテンポでよく起こりえる症状です。
もちろん慣れの部分もありますが、指の使い方が根本的に間違っている(適切ではない)と、いくら練習したところであまり効果は見込めません。なぜならば、間違った動作の学習を繰り返すことになるからです。それどころか、目指すものから徐々にかけ離れていくリスクも考えられます。ではどうしたらよいのか?
(反復練習の心得)
■ とにかく繰り返し弾けばいつかできる、という考えを疑う。
→ 間違った(意図しない)ことを繰り返しても、間違った(意図しない)ことが身につくだけだと考える。
■ 初心者向けとされる課題が全然できない(難しすぎる)と感じたら、指以外の部位に問題があると考える。
→ 身体とギターの位置関係、根本的な座り方/立ち方、楽器のコンディションなど。
■ 力が足りないと感じたら、力の伝え方が悪いと考える。
→ 押弦する角度、指の順番、タイミング、意識する部位などを変えてみる。
ギターの入門的な学習段階では、何もかもが初めてづくし。足の速さ、字の上手さ、得意な科目に差があるように、そもそもスタートライン自体が皆異なります。ハートフルギター教室で提唱しているのは、こうした能力差を無理に埋めようとせず、基本的に皆同じ「身体構造」からのアプローチです。今回紹介したのは「弾けない弾き方」に陥ってしまうという身体操作の一例でした。このように「できない時の感覚」に気づきがあれば、その失敗から学び修正が容易になってきます。次回はもっと実践的な段階へ踏み込んでいきます!
→ 次の記事(後日アップ)
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