前回 は第1関節に焦点を当てて、そのトレーニング方法を紹介してきました。今回は弦を押さえる力加減をチェックする目的で、指頭のコンディションをみていきましょう。
普段から弦を押さえる力が強すぎると、指頭の皮膚が角質化してマメのようになってしまうことがあります。角質化した皮膚は再生までに時間がかかるため、指頭のコンディションを一定に保つ意味でもよろしくありません。
純粋に皮膚の厚みが増す変化
角質化によるNGな変化
少々分かりにくいですが角質化した皮膚は黄色っぽく変色しており、局所的な触覚の鈍さが起こります。弦との接触位置を微調整する意味でも、感覚の低下はマイナスにしかなりません。
上図は私の左右の中指の比較ですが、子供のころに左中指を切断し縫合した経緯があるため、左右で形がかなり違います。感覚神経が鈍いので押弦力をつかみづらく、この指だけマメのようになってしまうことがあります。これを反面教師とするならば、痛みを伴う押弦は明らかにNG といえます。アコースティックギターのコード、エレキのチョーキングにおいても、徐々に皮膚が厚くなることで弦への耐性を獲得できます。生徒さんでも指頭の皮膚がボロボロになるほど強く押さえてしまうケースが見受けられますが、弦に指を立て掛けるくらいの力加減で十分 だと解説しています。
可能ならば毎日ギターに触った方がよいと言われる1つの理由は、皮膚組織の後退を防止し、指頭コンディションをキープする目的が含まれるから です。特に乾燥肌の方は、これからの季節は就寝前にハンドクリームで保湿するなどのケアも心がけてみてください。