ハートフルギター教室

離弦がスムーズなピック4選

 素材や形状、サイズや厚み…。弾き心地を左右する要因は様々ですが、タッチコントロールがしやすく、弾き心地が滑らかな(離弦に有利な)ピッキングを実現できるピックを独断で4つ選んでみました。

JIM DUNLOP / STUBBY 3.0mm

 素材はLEXAN(レキサン)というポリカーボネート・ポリマー(樹脂)で、これは熱可塑性プラティックの一種です。重量あたりでは鉄以上の強度をもつとされていますが、比重が小さいため軽快でクリアなタッチが特徴です。速弾き派に人気があるようですが、カッティング時のアタック感も気持ちよく出す事ができます。ただその形状から、基本的なタッチがしっかりしていないと弦を鳴らしきれないという性質があるので、ピッキングの矯正器具としての利用もありです。

HISTORY / JAZZ型 HARD

 素材はウルテムというポリエーテルイミド(樹脂)で、ヒトの爪に近いといわれています。このピックの良いところは、エッジの形状処理が絶妙な角度に仕上げられている点です。厚さ違いのEX-HARDも試しましたが、このHARDの方がしっくりきました。ナチュラルに摩耗しますが、寿命は若干短めです。今回の4種の中では最もウエットな音色で、個人的にはシングルコイルのギターと相性が良いように感じます。

IBANEZ / PAUL GILBERT 赤

 素材はPVC、塩化ビニル(樹脂)です。ポール・ギルバート・ピックは全部で5カラー(白・黒・青・パールホワイト・赤)ありますが、この赤以外は全てセルロイドです。ただ同じセルロイドでも塗料によって微妙な質感の違いがあるように思います。このピックは愛用者がとても多い事でも有名ですが、その理由の1つはサイズ感ではないでしょうか。ティアドロップとジャズの中間的な長さで、幅はそれなりに広くとられていますので、人差し指にとてもフィットしやすいのが特徴です。摩耗スピードはかなり早目な分、自然なトーンが得られるように思います。

JIM DUNLOP / FLOW Jumbo 3.0mm

 素材はULTEX(ウルテックス)で、滑りにくくサラサラした質感が特徴です。文字部が凸上になっており、さらにホールド感を高める仕様となっております。STUBBYと同じ3.0mmですが、先端の厚みが両者で異なります。STUBBYは先端が薄くなっていますが、FLOWは全域で3.0mmとフラットな形状です。故にエッジの処理方法も異なります。このピックは音量もそれなりに確保しやすく、弦離れも良いのでとても楽にピッキングすることができます。多くの人が、おそらくこの4種の中では最も滑らかに弾けると感じるのではないでしょうか。

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